新しいAIツールを試すだけで、いつもの仕事が進まない

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~試す仕事と続ける基準を先に決め、AIを実務で使える形にする~

 こんにちは、CoreTerra(コアテラ)です。
 今回は、新しいAIツールを試すことに時間を使い、いつもの仕事が進まなくなっているときのお話です。
 SNSで便利そうなAIツールを見つける。紹介動画を見ると、メール、資料、議事録、画像まで短時間で作れるように見える。今の仕事にも使えるかもしれないと思い、アカウントを作り、初期設定をして、使い方を調べる。
 気づけば1時間以上たっているのに、午前中に返す予定だった問い合わせメールはまだ下書きのまま。午後に使う提案資料も開けていない。AIを使って仕事を進めるつもりが、AIを試すことが今日の仕事になってしまうことがあります。
 次の日には、別の新しいツールが目に入ります。前のツールを続けるか決めないまま、また登録して、似た機能を試します。
 これは、AIへの関心が強すぎるからでも、使いこなす力が足りないからでもありません。試す前に「どの仕事で使うか」と「何ができたら続けるか」が決まっていないと、便利さを確認するだけで試行が終わりにくくなるのです。
 CoreTerraでは、AI活用を、新しいツールを増やすことではなく、仕事の目的に合わせて使える状態をつくることだと考えています。この記事では、新しいAIツールにいつもの仕事を奪われないために、試す仕事を1つに絞り、続けるかどうかを実務の基準で決める方法を整理します。

この記事の要点
 新しいAIツールを試すときは、機能を広く触る前に、実際の仕事を1つ選びます。
– 試す仕事を、問い合わせ返信や打ち合わせメモなど1つに絞る
– AIに任せる範囲と、人が確認する場所を先に決める
– 同じ仕事で3回試し、時間・手直し・安心して使えるかで判断する
– 続けると決めたら、使い方と生成物を仕事の中に残す
 AIツールを使い続けることだけが成功ではありません。今の仕事には合わないと分かり、いったん使わないと決められることも、試した成果です。

AIを試しているのに、仕事で使う場面が増えない
 新しいAIツールには、多くの機能があります。文章作成、要約、検索、画像生成、資料作成、音声の文字起こし。説明を見ていると、どの機能も自分の仕事に役立ちそうに感じます。
 そこで、短い文章、資料の要約、画像生成などを一通り試します。
 その場では便利さを感じても、翌日の問い合わせ返信や打ち合わせ後のメモ整理は、いつもの方法へ戻っている。AIツールを試した時間と、実際の仕事がつながっていません。
 原因の1つは、ツールを主語にして試していることです。
 「このAIには何ができるか」から始めると、機能を確認する範囲が広がります。一方、「毎週の打ち合わせ後に送る確認メールを、10分短くできるか」から始めると、見る機能と必要な結果が絞られます。
 大切なのは、AIツールの可能性をすべて知ることではなく、今の仕事のどこで役に立つかを確かめることです。

最初に決めるのは、ツールではなく「試す仕事」
 試す仕事は、次の3つに当てはまるものから選びます。

1. 繰り返し発生する
 年に1〜2回しかない特別な仕事より、毎月・毎週など繰り返し発生する仕事の方が、続ける価値を判断しやすくなります。
 たとえば、問い合わせへの返信、打ち合わせメモの整理、提案資料の見出しづくり、SNS投稿の下書きなどです。

2. 入れる情報と欲しい結果が分かる
 何を渡し、何が返ってくればよいかを説明できる仕事を選びます。
 「何かよい案を考えてもらう」ではなく、「打ち合わせメモから、決定事項・保留事項・次にやることを分ける」のように、入口と出口が見える仕事です。

3. 自分で結果を確認できる
 AIが出した内容を、そのまま正しいと判断できない仕事は、最初の試行には向きません。自分の経験や手元の資料で、間違い、抜け、認識違いを確認できる仕事から始めます。
 顧客情報、契約条件、金額、個人情報などを含む仕事では、実際の情報をそのまま入力する前に、利用するサービスの規約や社内ルールを確認します。最初は固有名詞や金額を仮の表現へ置き換え、安全に試せる範囲から始める方が安心です。

試す前に、1枚の「AI試行メモ」をつくる
 試す仕事が決まったら、AIツールを開く前に、たとえば次の内容を1枚に書きます。

試す仕事:打ち合わせ後の確認メールの下書き
AIに任せる範囲:メモから決定事項と次の対応を整理し、本文の下書きを作る
入力しない情報:顧客名、個人名、未公開の金額
人が確認する場所:事実、期限、相手への約束、文章の調子
続ける基準:作成と確認を合わせて15分以内。大きな書き直しがない
試す回数:次の3回

 ここで重要なのは、よいプロンプトを完成させることではありません。AIに任せる範囲と、人が責任を持って確認する範囲を分けることです。
 「メールを全部作ってもらう」と決めると、どこを見ればよいか分からなくなります。「決定事項と次の対応を整理し、下書きにする」と決めれば、期限や約束を人が確認できます。
 試す期限と回数も先に決めます。「しばらく使ってみる」では、いつまでも判断できません。まず、同じ仕事で試す次の3回が、いつ頃までに終わるかを確認します。3回試した時点で、続ける、やめる、条件を変えてもう3回試す、のどれかを選びます。

同じ仕事で3回試し、3つの基準で判断する
 1回目だけでAIツールを評価すると、設定や操作に慣れていない時間まで含まれます。一方、何十回も試してから判断しようとすると、その間にいつもの仕事が圧迫されます。
 そこで、最初の区切りを3回にします。3回とも、できるだけ同じ種類の仕事で試します。
 確認する基準は、次の3つです。

1. 仕事全体の時間が減ったか
 AIが文章を作る時間だけではなく、情報を準備する時間、指示を書く時間、回答を待つ時間、事実確認、書き直しまで含めます。
 AIの回答が30秒で出ても、入力の準備と修正に30分かかれば、その仕事が短くなったとは言いにくくなります。逆に、初回は時間がかかっても、3回目に同じ型を使って短くなったなら、続ける余地があります。

2. 手直しの量が受け入れられるか
 誤字を1か所直すことと、文章の半分を書き直すことは同じではありません。
 たとえば、「事実と期限が合っており、文章の調子を3か所以内直せば使える」のように、自分が受け入れられる範囲を決めます。文章量だけでなく、自分の意図が残り、相手との関係に合う文面になっているかも確認します。

3. 安心して繰り返せるか
 毎回、入力してよい情報に迷う。回答のどこを確認すればよいか分からない。生成物の保存先が定まらない。この状態では、1度うまくいっても仕事の流れには残りません。
 入力しない情報、確認する項目、完成したものを置く場所が決まり、次回も同じ手順で使えるかを見ます。
 3つすべてが完璧でなくても構いません。ただし、時間だけ短くなり、確認への不安が大きくなっている場合は、使う範囲を狭くした方が安全です。

たとえば、打ち合わせ後の確認メールで試す
 小規模なコンサルティング事業で、打ち合わせ後に確認メールを送っている場面を考えます。
 これまでは、手書きメモを見直し、決まったこと、次回までに行うこと、期限を拾い、メールに整えるまで25分ほどかかっていました。
 AIツールでは、顧客名や個人名を仮の表現に置き換えたメモを渡し、次の3項目に分けてもらいます。

1. 決定したこと
2. 相手が行うこと
3. 自分が行うこと

その後、実際のメモと照らし合わせ、期限と約束を人が確認してからメールへ整えます。
 1回目は、指示を考える時間と修正を合わせ、これまでとあまり変わらないかもしれません。2回目は同じ指示を使い、抜けやすい項目を追加する。3回目には、準備から確認までの時間と、直した場所を記録します。3回目までに、確認を含めても時間が短くなり、大きな書き直しがなく、入力情報にも迷わなくなったなら、続ける候補になります。
 一方、メモをAIへ渡せる形に直す時間が長い、内容の取り違えが続く、入力してよい情報の判断が難しい場合は、メール全文ではなく、見出しの整理だけに使う方法もあります。それでも合わなければ、今は使わないと決めます。

続けると決めたら、ツール名より使い方を残す
 3回試して続けると決めても、使い方が自分の頭の中だけにあると、忙しくなったときに元へ戻ります。ツールのブックマークだけでなく、次の4つを残します。
– 利用方針:どの仕事の、どこに使うか
– 入力情報:入れてよい情報、置き換える情報、入れない情報
– 確認ルール:人が必ず見る項目と、最終判断をする人
– 生成物管理:使えた指示、下書き、完成版をどこに残すか
 ひとりで仕事をしている場合も、自分が1週間後に見て分かる形にします。小さなチームで試す場合は、最初から全員へ広げず、試す仕事、確認する人、保存先を1つにそろえてから共有します。
 ここまで決まると、AIツールを「試したもの」から「仕事で使うもの」へ変えやすくなります。

AIツールの試行が続かなくなりやすい例
複数のツールを同時に比べる
 同じ仕事を複数のAIへ頼むと違いは分かりますが、比較そのものに時間がかかります。最初は1つのツールと1つの仕事に絞り、合わない理由が見えたときに次を試します。

いくつもの仕事で一度に試す
 メール、資料、画像、議事録を同時に試すと、何に役立ったのか分かりません。1つの仕事で判断したあと、別の仕事へ広げます。

出てきた結果の驚きだけで決める
 見栄えのよい文章や画像が出ると、便利に感じます。しかし、実務では、事実確認、修正、保存、再利用まで含めて使えるかが重要です。

最初から細かな運用マニュアルを作る
 試す前に大きなルールを作ると、準備だけで時間を使います。最初は1枚の試行メモで十分です。続けると決めた使い方だけ、必要なルールを残します。

今日からできる小さな一歩
 次に気になるAIツールを見つけたら、すぐに登録する前に、次の4行を書いてください。

次の3回だけ試す仕事:________
AIに任せる範囲:________
人が確認する場所:________
続ける基準:________

 書けない項目があるときは、まだツールを試す段階ではなく、試す仕事を決める段階です。
 今日すぐAIを使う必要はありません。問い合わせ返信、打ち合わせメモ、提案資料など、次に同じ仕事が発生する日を決め、そこで1回目を試します。
 試し終えたら、かかった時間、直した場所、不安だった点を1行ずつ残します。3回目が終わったら、続ける、やめる、範囲を狭くしてもう3回試す、のどれかを決めます。

AIを試す時間を、仕事が進む時間へ変える
 新しいAIツールに興味を持つことは、悪いことではありません。今まで時間がかかっていた仕事を見直すきっかけになります。
 ただし、試す仕事と続ける基準がないままでは、AIの可能性を確かめることに時間を使い、いつもの仕事が後ろへ残ります。
 まず、実際の仕事を1つ選ぶ。AIに任せる範囲と、人が確認する場所を分ける。同じ仕事で3回試し、時間、手直し、安心して繰り返せるかを確認する。
 続けると決めたら、利用方針、入力情報、確認ルール、生成物の置き場所を残します。合わないと分かったら、いったん使わないと決めます。
 AI活用は、使うツールの数で決まるものではありません。目の前の仕事が少し進めやすくなり、その使い方を次も迷わず選べることが大切です。
 AIツールは増えているものの、何に使うか、どの情報を入力するか、どこを確認するか、作ったものをどう残すかが曖昧な場合は、無料のAI活用セルフチェックも参考になります。今の使い方を振り返り、どこから整えるとよいかを確認できます。

【無料】個人事業主・小規模事業者向け情報管理セルフチェック  

セルフチェックを通じて、利用方針、入力情報、確認方法、生成物管理を具体的に整えたいと感じた場合は、CoreTerraの公式サービス「AI活用の土台」も次の選択肢になります。AIを「なんとなく使う」状態から、仕事の目的に合わせて使える状態へ一緒に整えるサービスです。

【CoreTerraについて
 CoreTerraは、中小企業・小規模事業者の仕事の土台を整え、仕事と日常の質を上げるための実務改善ブランドで、株式会社Onestep1が運営しています。
 ツールを増やすことではなく、仕事の状態、情報の置き場所、判断や確認の流れを、実際に使い続けられる形へ整えます。

【運営会社:株式会社Onestep1

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